新医薬プロジェクト
四平市医薬中間体シリーズ製品プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1 製品簡単紹介
医薬中間体とは化学薬品の合成過程で製造された中間化学品を指し、ファインケミカル製品に属する。 本件プロジェクトの主製品は塩化α-トルエンスルホニル(スルホン酸)、p-トルエンスルホンアミド、メチルp-トリルスルホン、スルファセタミド、クロラミン-Tなどであり、「国民経済業界分類コード表」(GB/T4754-2017)の第27類に属し、化学原料と化学制品の製造業、2614機械化学原料製造であり、化学工業団地の新規生産能力増加プロジェクトである。本件プロジェクトの技術条件は成熟で信頼性が高く、動力源供給インフラが整っており、工事計画が的確かつ実行可能で、環境保護・省エネなどの措置がしっかりと実施されており、プロジェクトの投資構成が合理的で、経済効果がよい。
1.1.2 市場の見通し
(1)グローバル医薬中間体産業の発展現状
欧米先進国の医薬産業は発足が早いが、世界の生産力発展と国際分業の日々の深化に伴い、欧米先進国の製薬企業は新創薬の開発と市場開拓に専念し、医薬中間体産業の中国、インドを含むアジア諸国への移転を加速させている。中国を例にとると、成熟した石油化学産業チェーン、豊富な基礎資源を後ろ盾に、医薬中間体の生産に必要な様々な主要な原副材料・梱包材に重要な保障力を提供し、生産効率向上、輸送コスト削減の効果が上がっている。同時に、中国国内の完璧な工業体系を後ろ盾に、国内企業に対し生産設備、建築施工など諸側面におけるコストと品質に競争優位性を持たせ、製品の量産移行を加速させている。それに加え、中国の企業や研究所はすでに医薬、ファインケミカル分野で長年の技術蓄積を持ち、核心競争力のある知的財産権体系を形成しており、一流の研究開発者と産業労働者を大量に育成し、医薬中間体生産ラインの順調運行、生産プロセスの絶えず続く進歩を確保している。
そのため、国際分業体制が日増しに深化していく総傾向の中で、医薬中間体産業の重心は欧米地域からアジア地域への移行がさらに期待可能で、中国の医薬中間体産業規模はさらに拡大し、アジアが主導役になった産業構造を形成し、中国の医薬工業発展の需要を満たすだけでなく、世界の原薬、後発医薬品、新創薬などのメーカーに重要な医薬中間体を供給し、世界の医薬工業の発展を促進することができる。
(2)中国の医薬中間体産業の発展現状
全体市場から見ると、世界経済の発展、人民の生活レベルの向上及び平均寿命の延長に伴い、世界の医薬消費支出は絶えず向上している。医薬中間体の使用と最終的な医薬コストとの間には正の相関関係があるため、世界的な医薬消費支出の増加に伴い、医薬中間体に対する需要量も絶えず向上している。過去、中国の医薬品の市場規模は終始大きな伸び率を維持して中国の医薬中間体規模の着実な成長を牽引した。国内政策が医薬中間体の高品質な発展に向かうにつれて、全体の医薬需要の変動を重ねて、中国は2018年に全体の医薬中間体規模が明らかに低下し、近年、国内の医薬需要の増加に伴い、全体の医薬中間体規模は回復し始めた。データによると、2022年の中国の医薬中間体市場規模は3946.8億元である。
図表1 2015-2022年の中国医薬中間体市場規模の変動
医薬中間体業界は中国で30年余りの着実な発展を経て、中国の医薬生産に必要な化学工業原料と中間体は基本的にセットにすることができて、少数の合成技術の複雑なハイエンド中間体だけが輸入を通じて満たす必要がある。しかも中国の資源が比較的に豊富で、原材料の価格が比較的に低いため、現在多くの中間体が大量の輸出を実現し、全体の医薬中間体の生産量の増加をある程度牽引している。データによると、2022年の中国の医薬中間体生産量は2884.36万トンに達し、2021年より小幅に減少した。
図表2 2015-2022年の中国化学製薬中間体生産量の変動
(3)医薬中間体産業の発展見通し
現在、医薬中間体は殆ど規模が小さく、技術プロセスが遅れており、大量の資源を浪費しているだけでなく、大量の危険廃棄物を発生し、中国の医薬中間体業界の発展を厳重に制約している。例えば、α-トルエンスルホニルは、現在、国内の単一装置くは殆ど1万トン以下で、上下流のつながりがなく、生産中に大量の希硫酸が発生し、生産コストが高いだけでなく、汚染処理費用も著しく高く、現在の中国のグリーン発展を求める考え方とは大きく乖離している。そのため、新技術、新生産方式を求め、集約化生産、グリーン化を実現した医薬中間体の生産プロジェクト建設が必要であり、よく見られる製薬汚染防止措置は下記の通りである。
①グリーン生産プロセスの採用
グリーン生産プロセスは汚染を根源から根絶する効果的な措置であり、最も理想的な汚染防止方法でもある。グリーン生産プロセスの主な内容は生産過程における主要な工程と成分に対し、汚染の少ない、あるいは汚染のない生産プロセスを再設計し、操作方法の改善や、技術操作パラメーターの最適化などの措置を通じ、製薬工場の製薬過程における省エネ・消費量削減、環境汚染の除去あるいは軽減の目的を実現することである。
②リサイクル
薬物合成反応は常に不徹底になりがちで、殆ど副反応が存在し、生成物は反応混合物から完全に分離されないため、分離母液中には未反応原料や副生成物、生成物が一定量含有することが多い。或る薬物合成では、プロセス設計者による綿密かつ緻密な計画によって反応母液のリサイクルまたは適切な処理後の再利用が可能となり、これは原料の消費削減、製品収率向上だけではなく、環境汚染の軽減にも繋がる。
③総合利用
ある意味では、製薬企業の製薬過程で発生する廃棄物でも「資源」であり、その資源を最大限に活用できるか否かは、その企業の生産技術水準を反映している。排出された廃棄物から価値のある資材を回収し、総合的に再利用することは、汚染抑制に繋がる積極的な措置である。
④生産設備改良・設備管理強化
生産設備を改良し、設備管理を強化することは製薬における汚染源抑制・環境汚染軽減に繋がるもう一つの重要なアプローチである。設備の仕様選定合理性、設計の適切性は、汚染物の量と濃度を大きく左右する。例えば、トルエンのスルホン化反応では、人工操作の間欠式脱水器の代わりに連続式自動脱水器を用いると、トルエンの転化率を有意に向上させ、汚染物の量を減らすことができる。また、直接凝縮器で有機物を含有する排ガスを水で直接凝縮すると、大量の低濃度廃水が発生する。間仕切り式凝縮器を新規導入して水による間接冷却を行うと、廃水量が有意に減少し、廃水中の有機物濃度も著しく向上する。少量・高濃度の有機物を含有する廃水はリサイクル処理に有利である。例えば、塩化水素を含有する排ガスを水で吸収すると一定濃度の塩酸が得られるが、水吸収塔の排出排ガスには常に一定量の塩化水素ガスが含有され、直接排出すると環境汚染につながる。実際の設計では、多くの場合、水吸収塔より後にアルカリ液吸収塔を増設し、それによって排ガス中の塩化水素含有量を4ミリグラム/立方メートル以下にまで下げ、国の排出基準を下回る。
将来を展望すると、中国は世界最大の医薬中間体生産・輸出地として、中国国内の医薬市場の発展だけでなく、世界の医薬市場の発展にも恵まれ、医学の進歩に伴い、国内ないし世界の薬品開発生産は持続的に増加する見込みがあり、医薬中間体の市場規模は絶えず拡大し続けている。新型コロナのワクチン生産需要の規模が大きい一方、関連医薬品の市場需要も増加している。これは中国医薬中間体市場の規模成長を牽引している。2023年に「ポストコロナ時代」に突入し、医薬業界は更に発展し、2026年までに中国の医薬中間体市場規模は2,900億元を突破する見込みである。
図表3 2021-2026年の中国医薬中間体市場規模予測状況
1.1.3 技術分析
本件プロジェクトは省人化・高効率化・高品質化・省エネ化を目指し、積極的に国内先進的な高効率・省エネ設備を採用する上、生産設備はできるだけ生産ラインを採用している。
1.1.4 プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
国務院の発行した「『健康中国2030』計画要綱」では、医薬産業の発展促進とともに、医薬技術革新を強化し、政産学研用の協同革新体系を完備化し、医薬革新とモデルチェンジ・アップグレードを推進することを提案した。特許薬、漢方薬新創薬、新型製剤、ハイエンド医療機器などの革新能力づくりを強化、重大な疾病を治療する特許薬の期限満了後における後発製薬の市販化を推進する。バイオ医薬品、化学薬剤の新品種、良質漢方薬を大いに発展させ、重大な医薬品の産業化を推進、2030年までに医薬品、医療機器の品質基準が全面的に国際基準に合わせるよう目指すとともに、産業発展の水準を高め、専門医薬団地を発展させ、産業連盟または連合体の結成を支援し、革新駆動、グリーン・低炭素、知能・高効率の先進的製造体系を構築、産業集中度を高め、ミドル・ハイエンド製品の供給能力を増強する。2030年までに、独自の知的財産権を持つ新創薬と診療装備の国際市場シェアが大幅に向上し、医薬工業の急成長を遂げ、中高級へと邁進していき、世界製薬強国の仲間入りを果たす。
吉林省は医薬健康産業の発展を重視し、「吉林省国民経済と社会発展の第14次5ヶ年計画と2035年までの長期目標要綱」では、医薬健康産業の優位性向上を首唱した。漢方薬の事業底力を増強し、大品種、新剤形、新投与経路、新適応症状の二次開発と応用化を推進する。化学薬剤のハイエンド製剤を育成して発展させ、化学原料薬の輸出基地を整備する。ハイエンド・エコ製薬研究開発プラットフォーム、国家第三者漢方薬品質検査(北方)センターを建設する。「医薬強省づくり加速化による医薬健康産業の高品質発展促進に関する実施意見」では、吉林省の特色ある資源優勢に依拠し、「大品種、大プロジェクト、大企業と大集積区」を手掛りに、産業配置に優れ、集積度が高く、産業競争力が強い産業発展構造を形成し、吉林省の医薬健康産業を強化して大いに発展させ、吉林省を世界的影響力ある「北薬基地」として作り上げる。吉林省医薬健康産業は2025年までに、「第13次5ヶ年計画」期末より倍増した3000億元の総経営規模を目指している。同時に、際立った実績があがった大学、研究院、企業に奨励を与える。
(2)資源の優位性
2022年上半期の四平市漢方薬材の栽培面積は28582ムー、そのうち梨樹県漢方薬材の栽培面積は4050ムー、伊通県漢方薬の栽培面積は24000ムー、鉄東区漢方薬材の栽培面積は532ムーである。
現在、四平市中の漢方薬材料栽培品種は金蓮花、黄芩、射干、蒼術、タンポポなど数十種類をカバーしており、その中で梨樹県の栽培品種は主に板藍根、黄芩、蒼術、射干など30余りの品種である。伊通県の栽培品種は主に桔梗、オウギ、玉竹、ユリなど40余りの品種である、鉄東区の栽培品種は主に五味子、白鮮皮、白シャクヤクなどの品種であり、多元化の市場需要を満たしている。
(3)産業基礎の優位性
医薬健康産業は四平市の優位産業の一つであり、バイオ製薬、現代漢方薬、化学製薬を主とし、鹿製品の仕上げ加工を補とした医薬製品構造を初歩的に形成している。四平市はすでに吉春製薬、大清鹿苑、一正薬業を筆頭にした現代漢方薬及びヘルスケア体系と、ファインケミカル品、益民堂薬業を筆頭にした化学薬剤体系、拓華生物を筆頭にしたバイオ医薬産業セクターを整えている。吉春製薬、一正薬業、ファインケミカル品、益民堂薬業などの重点企業は年間生産額が数億元以上である。
(4)地理的優位性
四平市梨樹県の地理的優位性が顕著である。交通は四方八方に通じ、「京哈」、「四梅」、「哈大」鉄道、「長大」高速道路、102国道などの交通大動脈はすべて県内を通り抜ける。域内に列車駅が3箇所あり、年間貨物取扱量300万トン以上である。県全域の道路総延長は1000平方キロメートル余りで、県都は東北交通センターである四平市からわずか10平方キロメートル、省都長春市から100平方キロメートル、大連港から560平方キロメートル離れ、遼寧省より北寄りにある東北地区で港口に最も近い県である。
(5)人材の優位性
四平市は科学研究、工学技術、踏査・設計、経営管理、コンサルティング・サービスなど様々な人材を集め、吉林大学、長春理工大学、長春工業大学、東北師範大学、吉林師範大学、吉林省農業科学院、吉林省農業工程学院、四平科学技術研究院は同市の発展に人材保障を提供し、完備した人材育成・成長体系を形成している。四平市の労働力資源の優位性は明らかで、熟練技術者の割合は東北都市群の中で高レベルにあり、労働力コストは比較的に低い時期にあたり、素養の高い産業労働者が多く、プロジェクト運用に技術的なサポートを提供可能である。
1.2 プロジェクト建設内容及び規模
1.2.1 製品規模
図表3 プロジェクト製品明細と規模
1.2.2 プロジェクト建設内容
プロジェクト敷地面積3万平方メートル。SO3、α-トルエンスルホニル(スルホン酸)、クロロ硫酸など主要製品18種類の生産作業場と生産ライン装置を建設。研究開発棟、マーケティングセンター、総合棟などの関連施設を建設。倉庫、貯槽区(総容積約4,800立方メートル)、配電、消防、排気ガス焼却炉などの補助施設を建設。炉前ブロワ、沸騰炉、硫鉄鉱酸制御排熱ボイラー、電気掃除機動力波スクラバーなどの施設設備を建設。
1.3 プロジェクト総投資額と資金調達
1.3.1 プロジェクト総投資額
プロジェクト総投資額は136,730万元、その内、建設用投資額116,000万元。
1.3.2 資金調達
企業の自己金融
1.4 財務分析及び社会評価
1.4.1 主な財務指標
プロジェクトの量産後、年間売上高は317,000万元、利益73,730万元。投資回収期間4.2年(税引後、建設期間2年含む)。投資利潤率53.92%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である。
1.4.2 社会評価
本件プロジェクトの落成後、地域経済発展、財政増収、現地の関連産業の発展と雇用創出などを積極的な推進し、現地一部の上下流の原材料加工、運輸企業の発展を牽引、現地市場の競争構造を最適化、現地の経済的影響力を高めることに繋がる。
1.5 協力方式
合弁、協力、独資。
1.6 外資導入の方式
資金。その他の方式は面談可能
1.7 プロジェクト建設場所
四平梨樹県
1.8 プロジェクト進捗状況
実行可能性研究報告書作成済み、事業誘致中
2. 協力側簡単紹介
2.1 基本状況
名称:梨樹県商務局
住所:梨樹県梨樹鎮向陽街2号
2.2 概況
梨樹県は吉林省南西部にあたり、松遼平原ヒンターランドに位置し、旧称奉化県で、古称韓州である。県全域面積3,511平方キロメートル、耕地面積350万ムー、21の郷鎮、3つの街道、2つの省級経済開発区、304の行政村を管轄し、総人口74.2万人、そのうち農業人口54.9万人で、典型的な農業大県である。ここ数年来、梨樹県は優位性に立脚し、開拓・革新に努め、各方面で著しい発展を遂げ、「国家級新型工業化食品産業実証基地」、「国家現代農業示範区」、「国家新型都市化試行県」、「国家級農村金融総合改革試験区」、「国家グリーン牧畜業発展モデル県」、「国家級農民工帰郷創業モデル県」、「全国第3陣主要農作物生産全過程機械化を初歩的に実現したモデル県」、「全省率先して農業現代化を実現したモデル県」、「全省農村振興率先して農業現代化を実現した新動力育成試験区」、「省級農業持続可能発展試験示範区」を相次ぎ受賞。
2.3 連絡方式
2.3.1 協力機構連絡方式
連絡先:梨樹県商務局
連絡係:林功濤
連絡電話:0434-5234290
イメール:lsxzsfwzx@126.com
2.3.2 プロジェクト所在市(州)連絡方式
連絡先:四平市商務局
連絡係:汪涇
連絡電話:+86-434-3266211
イメール:spsw2019@126.com