1.プロジェクト簡単紹介

1.1 プロジェクト背景

1.1.1 プロジェクト簡単紹介

スマート金型とは、センシング、温度制御機能を有するプレス金型やダイカスト金型であり、温度制御機能、射出成形パラメータ及び金型内流動状態などの知能化制御手段で作られた射出成形金型なども全部スマート金型に属する。伝統的な金型と比べて、スマート金型には技術性が高い、製品の付加価値が高い、使用寿命が長い、応用範囲が広い、市場空間が大きいなどの明らかな優位性があって、高級、精密、先端であることはスマート金型の最も明らかな特徴である。もし伝統的な工業の中で有効に使えば、スマート金型によって、既存の製造業の生産効率が大幅に向上され、工業のモデルチェンジ、産業のグレードアップがよりよく展開できる。

本プロジェクトは長春汽車経済技術開発区に建設され、長春市の自動車産業基礎の優位性、及び産業集積効果に基づいて、自動車部品の金型製造、メンテナンス、生産・研究・開発を一体化した金型スマート製造産業園を建設する予定である。

1.1.2 市場の見通し

（1）スマート金型産業の市場現状分析

スマート金型は現代の科学技術力の推進の下で生まれて、現代化製造を発展させる必要な条件であるため、スマート金型に対する需要は産業の発展に伴いますます大きくなり、その生産は市場によって決められ、将来的には最も求められて、金型産業発展の方向性でもなる。

現在の中国金型産業の発展状況から言えば、スマート金型の生産レベルはまだ初級段階にあり、将来的には感知、分析、意思決定と実行機能を持ち、高度な知能化レベルを持つスマート成形装備まで発展する。戦略的新興産業では、大型、精密、高効率、高性能金型もその用途と機能を絶えず拡張し、その付加価値と信頼性を高めていく。　

産業の競争構造から見ると、金型産業は大規模産業に属し、業界内の各分野の優秀企業は多いが、全体の市場集中度は低い。ここ数年間自動車産業の景気上昇に従って、国内の設立した金型産業と関連する企業の数も大幅に増えている。2021年の国内設立した金型産業関連企業の数は221,141社に達し、2022年は10月24日時点まで、新設企業数は234328社に達した。

図表1：2017-2022年中国金型産業関連企業の新設数量統計

　金型産業の下流産業としては主に自動車、家電、機械、電子通信、医療設備などがある。ここ数年来、中国経済の急速な発展に伴い、国民の所得がますます増え、消費需要が大幅に拡大し、関連産業の急速な発展を促進する同時に、国内製造業がいい方向に発展することにつれて、労働力、コスト、需要などの優位性に押し進められ、世界の製造業は徐々に中国に移転して、中国製造業の発展をさらに推進している。それに従い、中国金型の需要も急速に成長してきて、中国の金型産業規模の拡大に強力な動力を提供した。資料によると、2022年の中国金型産業の市場規模は約3467.73億元で、前年同期比12.6%増加した。生産量は約2631.17万セットで、前年同期比7.4%増加した。市場構造から見ると、近年の自動車軽量化の着実な推進及び中国のプラスチック工業、特にエンジニアリングプラスチックなどの現代新型材料工業の絶えずの発展に伴い、プラスチック金型市場は急速に発展してきて、今は、中国金型の最大のセグメント市場となり、約45%を占めている。その次としてはプレス金型と鋳造金型であり、約37%と9%を占めている。

図表2：2018-2022年中国金型産業運営状況

金型市場の拡大に従って、国内各地で金型産業園が次々と建設され、中国金型産業の発展の道が次第に明らかになってきた。中高級製品については、基本的に「作れない」から「作れる」へのアップグレードと飛躍を実現し、経済規模は「小から大へ」急速な成長を実現して、スマート金型も現代の科学技術力の推進の下で生まれた。スマート金型の発展により、高効率、精密、高性能金型の全体的なレベルが向上され、それによって金型強国の目標が早期に実現できる。

（2）自動車金型市場の見通し分析

　自動車工業は国民経済の基幹産業として、国民経済の多くの部門に促進と牽引の役割を果たしている。自動車金型は自動車産業チェーンの重要な構成部分として、中国自動車工業の発展に大きな影響があり、中国自動車の開発、モデルチェンジの中で重要な責任を担っている。そのため、中国政府は自動車金型の発展を非常に重視し、政府と関連部門は次々と一連の産業政策と中長期発展計画を打ち出して、直接あるいは間接的に中国自動車射出成形金型産業の発展をサポートし、金型産業の発展に良好な政策環境を作っている。

　自動車金型とは、自動車内装金型や自動車外装金型や自動車パネル金型などのすべての自動車部品金型の総称である。成形方法によっては、自動車金型は自動車プレス金型、自動車射出成形金型、自動車鋳造金型、自動車鍛造金型などに分けられる。部品材料によっては、自動車の金型は金属金型、プラスチック金型、複合金型などに分けられる。

図表3：自動車金型分類

金型は工業生産の基礎装備であり、その中で量産を主とする自動車工業には大量の部品が金型を通じて成形する必要がある。その為、自動車金型を「自動車工業の母」と呼ぶ人もいる。2022年の世界の自動車金型市場規模は515.2億ドルに達し、前年同期比4.27%増加した。地域分布を見ると、中国は世界の自動車金型産業の一番大きい市場として、2022年には世界総規模の31.27%を占めた。

図表4：2017-2022年世界自動車金型市場規模と地域構造

近年、中国自動車金型市場全体の規模はずっと小幅の上昇傾向を維持している。統計によると、2022年の中国自動車金型産業の市場規模は約1083.8億元で、前年同期比3.17%増加した。成形技術によっては、プレス金型と射出成形金型が主導的な地位を占め、2022年のプレス金型市場規模は約441.9億元、射出成形金型は約358.5億元で、両者合計のシェアは70%を超えた。

（3）自動車金型産業の発展傾向

① 新エネルギーのトレンドの下で、乗用車の代替えとモデルチェンジの加速により、射出成形金型の需要が向上する。

自動車射出成形金型製品は非標準技術装備に属し、自動車射出成形金型の重要な構成部分である自動車内外装の金型の需要は主に自動車の新車種開発と旧車種のモデルチェンジと代替えの周期の影響を受けている。新エネルギー車というトレンドの下で、ユーザーの消費アップグレードと乗用車のモデルチェンジ周期の短縮によって、カスタムオーダーメイドの自動車内外装金型の需要が増え、金型産業の発展に大きな市場需要と発展空間を提供している。

② 金型製造コストの低減が競争の焦点となる

金型のオーダーメイド傾向が明らかで、且つ金型のタイプ、セグメント領域には大きな技術差があって、その産業特性により、今は「大規模産業、小規模企業」という構造が現れ、業界内の企業規模は一般的に小さいし、中低端製品の生産を主としている。新エネルギー化の推進と自動車のモデルチェンジ周期の加速に伴い、顧客の精密性と軽量化の需要を満たし、製造サイクルを短縮し、金型製造コストを削減することが競争の焦点となってくる。

③ 製品の小型化・軽量化の傾向

環境保護と省エネの要求はますます厳しくなり、自動車の軽量化は世界自動車産業の発展傾向となっている。車体軽量化に伴い、自動車金型もこの方向に向かって急速に発展する。

自動車軽量化の発展傾向に応じて、自動車部品の中での自動車プラスチック部品のシェアが増え、上流の自動車射出成形金型産業により多くの発展チャンスをもたらすことから、本プロジェクトの市場見通しは非常に楽観的であることがわかる。

1.1.3　技術分析

スマート自動車金型技術には主に下記の内容が含まれる。

（1）製造可能性設計（DFM）、すなわち設計時に製造可能性を考慮し分析し、工程の成功を保証する。

（2）金型断面設計の補助技術、知能化の断面設計技術を発展させる。

（3）CAE支援分析とシミュレーションプレス成形の工程プロセス、可能な欠陥と成形問題を予測し、解決する。

（4）従来の2次元設計に代えて、3次元の金型構造設計を用いる。

（5）金型の製造プロセスにCAPP、CAM、CAT技術を用いる。

（6）デジタル技術指導の下で試験とプレス生産の中で現れた問題を処理し、解決する。

1.1.4　プロジェクト建設に有利な条件

（1）政策の優位性

「製品、工事とサービスの品質をさらに向上させる行動方案（2022-2025年）に関する通知」では、基礎部品と汎用部品の品質性能を向上させると指摘した。基礎共通性技術の研究を強化し、ベアリング、歯車、ファスナー、液体とガスの密封部品、油圧部品、ポンプとバルブ、金型、センサーなどの核心的な基礎部品（デバイス）の信頼性、安定性を高め、使用寿命を伸ばす。設計、製造工程のソフトウェアの国産化応用を加速し、電子設計自動化参照構造の標準化を推進し、ハイエンドチップの重要な装備と計器を研究・開発する。ハイエンド計器計量テスト技術の研究と応用を強化し、設備の精度、安定性と標準校正技術のレベルを高める。

「金型産業“第14次5カ年計画”発展要綱」では、「第14次5カ年計画」末までに、国内金型市場の満足率は90%‐95%で、世界一の金型製造国の位置を維持し、金型輸出額は80億ドルを超え、平均毎年5%前後増加し、国際金型市場のシェアは全体的に10%以上増加し、世界一の金型輸出国の地位を維持すると、提案した。

（2）地理的交通優位性

汽車経済技術開発区は長春市街地の南西部に位置し、東は普陽街、長春-瀋陽鉄道から、南は公主嶺市範家屯鎮まで、西は西新開河まで、北は景陽大路、支農路、長春西湖に至る。管轄サービス面積は110平方キロメートル。102国道、長春-瀋陽鉄道などの対外交通線路は管轄区の南部を通り、都市環状高速道路は管轄区の中部を通っている。

（3）産業基礎の優位性

長春は中国自動車工業の揺りかごであり、国内最大の自動車生産製造基地であり、中国最大の、最も競争力のある自動車工業都市でもある。一汽解放、一汽フォルクスワーゲン、一汽豊越などの完成車製造企業が長春経済開発区に位置している。「中型、大型、セダン」という3大シリーズの多車種産業構造を形成した。長春経済開発区に自動車金型生産プロジェクトを構築することは、全体からも見ても、部品から見ても、さらには自動車に関連する研究や教育の面から見ても、恵まれた優位性がある。

長春市には巨大な部品サプライヤー体系があって付属の生産と供給を行っている。開発区には、自動車部品企業が300社余りもあり、一汽富維、ジャックセルエアコン、一汽鋳造、一汽鍛造、一汽金型中心などの国内で比較的に影響力のある自動車部品企業があって、一定規模の付属体系と国内で一定の競争優位性のある部品製造企業のクラスターを形成しており、機械設計から生産製造加工まで、全方位で全体系がシームレスに連結されていて、長年にわたって完成車体系の高速運行を支えて、長春市経済の発展に大きな力を貢献している。

1.2 プロジェクト建設内容及び規模

1.2.1 製品規模

主に自動車部品金型の製造、メンテナンス、生産・研究・開発を行い、年産200万セットの金型生産能力を形成する。

1.2.2 プロジェクト建設内容

プロジェクトの敷地面積は1.2万平方メートル、建築面積は約1万平方メートル、その内、生産工場は6500平方メートル、完成品倉庫は1500平方メートル、原料倉庫は1500平方メートル、オフィスエリアは500平方メートルを建設し、給水と排水、変電と配電、消防、環境衛生、道路、駐車場、緑化、景観などの補助施設を建設する。

1.3 プロジェクト総投資額と資金調達

プロジェクト総投資額は50,000万元、その内、固定資産投資額は41,400万元である。

1.4 財務分析及び社会評価

1.4.1主な財務指標

プロジェクトの量産後、年間売上高は33,670万元、利益11,111.1万元、投資回収期間6年（税引後、建設期間1.4年含む）、投資利益率21.5%。

説明：表中の「万元」はすべて人民元である

1.4.2 社会評価

このプロジェクトは市場の需要に順応しており、プロジェクトの建設によって税収が増え、地域関連企業の産業発展が促進され、就職チャンスが提供され、一部の労働力の就業問題が解決でき、社会繁栄と安定維持に有利であり、地域経済の発展を牽引することができる。同時に、地域が持っている企業の発展に有利な環境と良好なインフラを利用して、最新の生産技術を採用して、省エネ・排出削減を行い、資金導入ルートを広げ、産業構造を調整し、地域経済の健全な発展を推進することができる。

1.5協力方式

独資

1.6外資導入の方式

資金、設備、技術

1.7プロジェクト建設場所

長春市長春汽車経済技術開発区、汽車大路周辺

1.8プロジェクト進捗状況

プロジェクト協力計画書編成済み

2.協力側簡単紹介

2.1 基本状況

名称：長春汽車経済技術開発区

住所：汽車開発区東風大街7766号

2.2 概況

長春汽車経済技術開発区は、全国で唯一の自動車で命名された国家級開発区である。2021年9月、中国共産党長春国際汽車城工作委員会、長春国際汽車城管理委員会が設立され、長春市自動車産業の高品質の発展に新たな編章を開いた。ここに、1953年、中華人民共和国自動車工業の長男である中国一汽が礎石を据え、新中国の一台目のトラック、一台目の乗用車を生み出し、自動車産業者としての血脈を伝承し、担ってきた。ここには、一汽紅旗、一汽解放、一汽ベストン、一汽-フォルクスワーゲン、一汽豊越、アウディ一汽新エネルギーなどの6つの完成車製造工場と7つの自動車ブランドがあって、「中型、大型、セダン」という三大シリーズの複数車種の製品構造が形成されている。ここでは、「生産、生活、生態」の三生が融合し合いながら発展している。緑地のカバー率は41%に達し、「城は林の中に、水は城の中に、人は風景の中にある」という住みやすい都市として、台頭している。ここは、吉林省の唯一のランクインされた国家輸入貿易促進創新示範区であり、中国一汽工業文化観光基地でもあり、吉林省の唯一の53の国家工業観光示範基地の一つでもある。ここで、完成車、付属産業、サービス産業の「3つの万億レベル」の産業目標に焦点を当て、「自分自身の自動車製造業を発展させ、肝心な技術を自分の手に握って、民族自動車ブランドを向上させる」と懇切に頼まれたことをしっかりと銘記し、自主革新の道を揺ぎ無く歩み、重要な核心技術において全力で難関を乗り越え、勇ましく頂点に登り、「中国製造」という美しい名刺を磨きあげ、「一汽をサポートして世界一流企業を建設し、世界一流自動車都市を建設する」という「ダブル一流」の目標に向かって着実に邁進している。

2.3 連絡方式

2.3.1 協力機構連絡方式

プロジェクト機構連絡係：劉思宇

連絡電話：18743078589

イメール：495953670@qq.com

2.3.2 プロジェクト所在市（州）連絡方式

連絡先：長春市合作交流弁公室

連絡係：張俊傑

連絡電話：15704317930

ファクス：0431-82700590

イメール：xmc82763933@163.com